実写版「魔女の宅急便」が話題になっている昨今。どんな映画になるのか楽しみだ。
おそらくスタジオジブリの「魔女の宅急便」に比べると原作である角野栄子「魔女の宅急便」を読んだ方は少ないと思われる。
魔女の宅急便 (福音館創作童話シリーズ)
ジブリの映画では、成長したキキの姿としてウルスラ、オソノさんという女性が登場しているように思えるが、原作ではキキという少女が少しずつ大人になっていく様子がシリーズ6冊を通して書かれており、たいへん良い作品なのでおすすめしたい。
スタジオジブリ作品は原作といってもそのストーリーをそのまま追うよりも、あくまで発送の原点として存在している印象が強いが、どれもそれぞれ個性的で良い作品だ。
例えばダイアナ・ウィン・ジョーンズの原作のハウルは映画の中野涼しげな美少年とはまた違った魅力、お人好しで素直になれない性格を持つキャラクターとして描かれている。
魔法使いハウルと火の悪魔-ハウルの動く城〈1〉
他にも「思い出ぽろぽろ」「耳をすませば」「コクリコ坂から」のようにジブリ映画から原作を読んだ、というものが私には多いのだが、「ゲド戦記」「借りぐらしのアリエッティ」については、先に原作を読んでいた。それがスタジオジブリがアニメ化するというのだから、非常に期待が膨らんだものだ。
その期待の結果はさておき、特に「借りぐらしのアリエッティ」原作であるメアリー・ノートンの「小人の冒険」シリーズには特別な思い入れがあった。
床下の小人たち-小人の冒険シリーズ〈1〉(岩波少年文庫)
さて、前置きが長くなってしまったが冒頭に書いた「魔女の宅急便」実写化の話でふと思ったのは、「床下の小人たち」もどこかで別な形で映像化されていたりするんじゃないか、という事だった。
試しに調べてみたところ、なんとこの作品は1973年、1992年、1997年と何度も映像化されている。しかも最新作はなんと2011年。タイトルは英語原作タイトルの通り"The Borrowers"となっている。
これは本当に素晴らしいトレイラー。是非、日本でも放映して欲しい。せめてHuluにやって来ないものだろうか。
このシリーズを読んだのは小学校2年生の頃だった。
私は昔からファンタジーが好きで、ずいぶんといろんな話を読んだものだが、特に好きなのはこういった物語。すなわち、現実世界の延長であり、どこかで起こっているかも知れないと思える不思議な話だ。例えば「ナルニア国物語」「はてしない物語」なども同じ特徴を持っている。
現実に生きている我々も小人を目にする事はないけれども、隠れて住んでいる小人たちは普通、人間には見つからない。もしかするとある日、ふとした拍子に小人を見つけて友達になれるかも知れないのだ。
(なお、原作アリエッティはジブリ映画と違って非常に勝ち気な少女である)
物語はそうやって子供の現実を拡張する事がある。ファンタジーの世界に入り込むのではなく、読み手のいる世界にそっと侵入し、日々の暮らしを楽しくしてくれるのだ。
子供の頃にそうした本に出会えるというのは、とても幸福な事だと思える。
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