2014年5月30日金曜日

「タイムマシンニュース」に気をつけよう!

最初に結論から書きますが、面白い、興味深いニュースがまわってきたらそれがいつ起こった事なのかを見てみましょう。明確になければ元記事を調べましょう。いま受け取ったニュースは本当にニュースでしょうか?

ニュースとは文字通り、最新の出来事や報道の事です。
今世の中でどんな事が起こっているのか?
最新の状況はどうか?
日々そうした状況を得る事によって多くの人は「これからどうなっていくのか」を考えながれ生きていくわけです。

Web上、とりわけTwitterやSNSでは日々様々な情報が流れていくわけですが、その中には「ニュース」と言えないものも数多く混じっています。

例えば2014年5月27日にこの記事を数多くの方がシェア/リツイートしています。

「プラスチックごみを石油に変える装置を日本人が発明!!これで世界は変わる!?世界が注目!」
http://buzznews.asia/?p=27343

これはプラスチックを集め、それを石油に戻す事で再使用をしようという試み。
しかし、その話題は実は新しくありません、過去に何度も見た記憶があります。
この記事は翻訳記事ですので、参照元を見てみます。
参照元の記事は非常に小さく書かれていますが、こちらです。

Plastic to Oil Fantastic
http://ourworld.unu.edu/en/plastic-to-oil-fantastic

これは2010年8月27日に書かれた記事です。
しかも、元記事は2009年4月19日の記事を引用しています。

プラスチックを石油に変えるという試みそのものは素晴らしく、十分に安いコストでそれが行えるなら多くの国や自治体などで活用されるでしょうし、応援する価値のある内容です。しかし、これは確実に「発明した」というニュースではなく「世界は変わる?」という見出しをつけるのに適切な内容でもありません。この記事に必要なのは、2009年から今までにこの装置を利用してどんな活動が行われて来たのか、現在どの程度普及しているのか、世界はどの程度変わったのかという情報です。
「応援しよう」とポジティブに書かれていますが、2009年に話題になった装置で2014年現在世界中で使われているようには見えませんから、応援するなら何かしらの具体的な支援が必要なのは明らかです。
つまりこの記事は、過去の記事を発掘して今まさに起こっているかのように日時の情報をあえて削り、ポジティブな未来を読者に予感させて少し良い気分にさせ、注目を集めるためだけに書かれているわけです。

こういった記事は実はネットに溢れています。

インドで斜め上な「水運び機」が発明され世界中がナマステ
http://www.yukawanet.com/archives/4670768.html

書かれたのは2014年5月6日、しかしこれは2012年のニュースです。
http://wellowater.org/the-waterwheel/

これも内容そのものには広めるべき価値があるかも知れません。
しかし、少なくともシェアやリツイートの対象となるのはこのニュースサイトの記事ではなく、元の方です。

ネット上でインパクトのある話題はすぐに広がりますが、しばらく経つと忘れられてしまいます。しかし、一度話題になったものはまた話題になるポテンシャルを持っているので、数年前に一度話題になったものを拾ってきて最新のものであるかのように広めれば再び話題になるわけです。

・過去ニュースにタダ乗り
・時系列を意図的に誤解させる
・シェアしましょう/RTしましょうという文言を入れる

多くのお手軽な似非ニュースサイトの常套手段です。
それでも内容が良ければ良いだろうと思う方もいらっしゃるかも知れませんが、もし本当に広めるべきと思うなら、少し手間をかけて元サイトを読めば本当に広めるべき情報や、自分がすべき応援の仕方がわかるわけです。それすら億劫ならそれはそもそも広めたいと思うほどのものではないのではないでしょうか。

もう一度書きますが、話題になっている、初めて聞いた、画期的だ、すごい、と思うようなニュースを受け取ったらまずそれがいつのものなのか調べましょう。
そのニュース、本当にニュースでしょうか?

2014年5月28日水曜日

誰もUnityを使っていない研究室でゼロからUnityを学ぶ簡単なやり方

学校でUnity教えたい、でもUnity教えられる教員がいない、という相談をよく受けます。
私自身、ある程度Unityは使えるけれども教えられるか、と言われるとなかなか微妙な線、これまで自分がやった事のある内容なら教えられるかなという程度です。

が、別に誰一人Unityを使えなくてもUnityを学ぶ会は開催出来ます。
ドットインストールを使いましょう!
http://dotinstall.com/lessons/basic_unity

ドットインストールは映像を使ってプログラムに関する様々な事を学ぶためのサイトです。近頃はドットインストールを使って個人でUnityを憶えた、という方もだいぶ増えていますが、「ではセミナーまでにそれぞれドットインストールを使ってUnityの使い方を学習してきてね」と言っても、それなりの敷居はあるわけです。

そこで、ドットインストールを使ったUnity講習会を開けば良いわけです。

・会場を適当に用意
・ドットインストールの画面をプロジェクタでスクリーンに投影
・レッスン#01から順番に再生し、自分でも同じ事をしてみる
・出来たら回りを見てうまく出来ていない人をサポート
・全員出来たら次に進む

この繰り返しです。
1回分の映像は3分です。仮に毎回その内容を終えるのに10分かかったとしても、90分時間を取れば5回〜6回分の学習は可能です。
これを5回〜6回繰り返せばドットインストールでの学習は完了します。

セミナーという場を用意することによって始めるモチベーションを持つ事が出来る、互いに助け合う事によって詰まってしまう事を防ぐ、というメリットがあります。

Unityのスタッフは、ハンズオンセミナーなどを全国で開いていますが、本当に基礎の基礎を学ぶだけなら上記のようなやり方である程度習得出来ます。その状態で初心者よりは少し上のハンズオンセミナーに参加したり、もしくは実際作ったものに対してUnityのエヴァンジェリストがアドバイスをするというようなセミナーを開いた方が、より機会を有効活用出来ます。

是非、教員の方も学生さんも一緒になってUnityを学んでみて下さい。