2013年6月25日火曜日

そのUIは見えているか? ゲームにおける色覚ハンデユーザー対応

Facebookでシェアされていた以下のドキュメントが素晴らしい。

川崎市の公文書作成におけるカラーユニバーサルデザイン・ガイドライン。
http://www.city.kawasaki.jp/shisei/category/50-3-4-0-0-0-0-0-0-0.html

文中にもあるが、色盲、色弱などの色覚ハンデを持つ方は意外と多く、日本人男性で5%、女性で0.02%に及ぶ。この数字には地域差があり、世界的には男性の8%、女性の0.5%が何らかの色覚ハンデを抱えている。
比較的少ない日本での割合を見ても、例えば学校のクラスに一人はいる計算になる。
普段、なかなかハンデがある事をカミングアウトしないかも知れないが、私も友人知人に数人のそういった方がおり、割と身近に困るという話を聞く事がある。

ゲーム開発においても、これらの知識は知っておいた方が良いが、これまで18年ほど現場にいるが、少なくとも会社で講習などを受けた事はない。
学ぼうと思ったら例えば以下のような勉強会に参加するなどの方法はある。

ソフトウェア開発におけるカラーユニバーサルデザインの重要性
http://www.inside-games.jp/article/2009/10/29/38472.html

ゲームソフトウェアというのは生活に必要のないものだ。
だからこそ、予備知識なしに触っただけでも内容が理解出来、楽しめるようでなければユーザーの方々に遊んでもらえない。よほどの事がない限り、我慢して使う事はないわけだ。
それでも、数多くの熱心なファンを持つゲームだとこういう事が起こったりもする。

「モダン ウォーフェア2」ユーザーが、色覚異常用パッチを求める署名運動を開始
http://gamez.itmedia.co.jp/games/articles/0912/21/news086.html

レーダーに表示されるシンボルの敵味方の区別が付かないというのは、対戦プレイヤーにとっては致命的な問題だ。ほんの少しの配慮で、8%のユーザーが楽しめるようになるわけなので、高いコストではないはずだ。
デザインの問題も絡むが、ソフトウェアの場合、色覚ハンデを持つ方向けに専用の色セットなどを用意する事も出来る。

この問題に関して、専門的な知識を身に付けるのはなかなか難しいかも知れない。
しかし、例えば上記のガイドラインを熟知していないとしても、色覚ハンデを持つ方々の視界をシミュレートするためのアプリケーションなどもリリースされている。

色のシミュレーター
http://asada.tukusi.ne.jp/cvsimulator/j/

このソフトウェアは、専門的な知識を持つ制作者が医学的に正しいシミュレーションを行い、iPhoneで色覚ハンデの方が持つ視界を再現出来るというもの。本当に誰でも簡単に使う事が出来、チェックが可能なので、ユーザーインターフェイスに関わる人間は必ずダウンロードして持っておいて良い。

これらは個人の努力で出来る範囲だが、例えば開発工程の中でQA項目に上記の色彩チェックを含めるなどしておけば、より万全になる。
また、ゲームエンジンなどの開発環境に色のシミュレーターのような機能を持たせておけば、UIデザイナーやアーティストは実装をしながらより簡単にチェックが出来るようになるだろう。

0 件のコメント:

コメントを投稿